校務支援システムの種類とは?それぞれの違いやできることをご紹介!
校務支援システムは教育現場を効率化し、学習環境の向上に貢献します。この記事では、異なる種類の校務支援システムとその特徴、機能に焦点を当て、学校や教育機関のニーズに合った選び方をご紹介。
それぞれのシステムが提供する価値や使いどころを知りたい方は、ぜひ本文をご覧ください。
校務支援システムについて
校務支援システムとは、教員が行うさまざまな業務の負担を減らし、生徒や児童への指導を適切に行えるようにすることを目的に利用されているシステムのことをいいます。校務には、学校運営の情報管理、生徒の情報管理、教員の情報共有など、さまざまなものがあります。
この膨大な量の事務作業情報をデジタル化し、管理するのが校務支援システムです。出欠管理や成績処理などの教務や学校事務などの作業を効率化することが可能です。
手書きの多い教育現場において、教員が担当する業務はとても多く、負担は計り知れません。校務支援システムを導入することにより、校務に関する情報を集め、共有することができるため、業務の効率化を図ることができるようになりました。
校務支援システムの種類
近年、教育現場の複雑な業務に対応するため、校務支援システムが注目を集めています。これらのシステムは教育機関がさまざまな業務を円滑に進めるために開発され、さまざまなタイプが存在します。
これらの選択肢には、それぞれ特有のメリットやデメリットが存在し、学校や教育機関のニーズに適したシステムを選ぶことが重要です。
オンプレミス型
オンプレミス型の校務支援システムは、学校が独自に専用システムを構築し、自己管理する形態です。このシステムは、学校独自の業務に合わせた柔軟なカスタマイズが可能であり、機能の拡張も容易です。
ただし、初期導入費用が高額であることや、サーバー構築やメンテナンスに関するコストがかさんでしまう傾向があります。
クラウド型
クラウド型の校務支援システムは、オンライン上で提供されるサービスを通じて利用されます。インターネットを通していつでもどこからでもアクセス可能であり、初期導入費用が比較的低いのが特徴です。
メンテナンスやセキュリティの心配をクラウドプロバイダーに任せることで、教育機関はより柔軟で効率的な運用が可能です。
教育支援型
教育支援型の校務支援システムは、学習環境や教育プロセスを強化する機能に焦点を当てています。学習履歴の可視化、ポートフォリオ作成、授業アンケート、eラーニングなどの機能が豊富に備わっています。
たとえば、生徒の学習成果を管理するポートフォリオや授業アンケートを分析する機能を提供しているものもあり、教育の質向上につながっています。
業務効率化型
業務効率化型の校務支援システムは、学校全体の事務作業や情報管理を効率的に行うことを重視しています。学籍や出欠管理、成績管理、時間割作成など、基本的な校務業務を効率的に処理する機能が強化されているのです。
それぞれの校務支援システムができること
現代の教育現場では、情報のデジタル化が進み、教職員が抱える校務業務も多岐にわたります。こうした課題に対処するため、校務支援システムが注目を集めているのです。
それでは、校務支援システムが提供する機能について詳しく見ていきましょう。
教育データの一元管理
校務支援システムは、生徒の学習記録、出欠、成績などのデータを電子化し、一元管理します。これにより、教職員は紙やExcelでの手作業から解放され、効率的な情報管理が可能となるのです。
学習データの統合管理により、生徒の状況を総合的に把握しやすくなります。
教育効果の向上
教育支援型の校務支援システムは、学習履歴の可視化、ポートフォリオ作成、授業アンケート分析、eラーニングなど、教育効果を高める機能を提供します。これにより、生徒の学習過程や理解度を俯瞰し、質の高い教育プログラムの構築が可能です。
業務の効率化
業務効率化型の校務支援システムは、学籍・出欠・成績・時間割の管理など、校務業務全般を効率的に処理する機能を備えています。これにより、教職員は煩雑な事務作業から解放され、より多くの時間を生徒と向き合うことができるのです。
勤怠管理や学校徴収金管理なども効率的に行えます。
グループウェア機能
校務支援システムは、教職員同士の情報共有を円滑にするグループウェア機能を提供します。掲示板やスケジュール機能、会議室や設備の予約管理などが含まれ、組織全体のコミュニケーションを強化するのです。
保護者連携の充実
生徒の学習状況や出欠情報を保護者と共有する機能が校務支援システムに組み込まれています。保護者はオンラインで生徒の進捗状況を把握し、教育に参画できるため、学校と保護者との連携が一層密接になるでしょう。
校務支援システムを導入するメリット
ここからは、校務支援システムを導入するメリットについて解説します。
教員の業務負担を軽減
校務支援システムを導入することにより、さまざまな業務の削減・短縮・効率化を図ります。これにより、教員の業務負担を軽くしてくれるというメリットがあります。
業務の効率化により時間に余裕がでてきます。さらに、情報の共有や発信が積極的にできるため、教育の質そのものを向上させることに期待できます。
教員同士の情報交換により指導案を共有することで、新人教員へのアドバイスなどを通しての育成をすることも可能です。また、校務に関連する情報をデータ化し一律で管理することで、業務の負担を減らし時間を短くしたり、ミスを減らすことにも貢献してくれます。
自治体内での校務統一化
学校ごとに独自の業務方法をとっている場合、異動した学校が同じ自治体だったとしても、業務のやり方が全く違っていて、作業を一から覚えなければならない場合が多々あります。異動のたびに業務を覚えなおさなければならないのは効率が悪く、教員の負担を増やす原因となっています。
このような教員への負担を軽減するためにも、校務支援システムの導入は必要です。システムを導入することにより、同じ自治体での校務のやり方が統一されます。統一されていれば異動先で業務の覚えなおしという無駄な作業が削減されます。
不必要な業務が減れば作業もスムーズに進められ、業務の効率化が実現します。
情報化によりコストを削減
校務支援システムを導入すると、教員や事務職員などが行う業務が情報化されます。これにより、大きなコストの削減を可能としています。
会議の資料を職員に配布する場合、それまでの現場では、全員分を印刷してまとめ、配布するという作業を行っていました。そのため、手間も時間もコストもかかっていました。
しかし、校務支援システムを導入することにより、校務を情報化することが可能になります。校務の情報化により、グループウェアから会議資料などをダウンロードすることができるようになるため、紙や時間の節約が可能です。これにより、大幅なコストの削減へとつなげることができます。
また、校務支援システムを導入する予算については、クラウド型にすれば機器の設置がいりませんし、自治体でサーバーを共有する「センターサーバー型」を活用することで、導入や運用への費用を抑えられます。導入コストを下げられることも、校務支援システムを導入する魅力といえるでしょう。
セキュリティ対策
情報社会においては、校務内容の情報が漏れないよう厳重に保管する必要があります。校務で扱う情報は、テストの解答用紙や成績表、生徒や児童への指導要録など、とても大切なものばかりです。
紙で保管していた書類も、校務支援システムを導入すればデータ化することができます。セキュリティ対策がきちんと施されているサーバーで、データ化した重要な書類を保管することで、情報漏洩を防ぐことが可能になります。
アクセスする権限の設定もできるため、決められた人のみ閲覧可能な状態にすることもできます。また、災害時の事業継続計画についても効果を発揮します。重要な情報を書類で保管、もしくは学校に設置したサーバーに保管していると、災害(地震・火災・水害など)で情報を失ってしまうかもしれません。
校務支援システムを活用し、データのバックアップを定期的に取っておくことで、データの滅失を未然に防ぐことができます。
校務支援システムを選ぶ際のポイント
現代の教育環境では、校務支援システムの導入がますます重要となっています。学校の運営を効率的かつ円滑に行うためには、適切な校務支援システムの選定が不可欠です。
ここでは、システム選定時に考慮すべきポイントについて詳しく見ていきましょう。
機能の充実度を確認
校務支援システムは、さまざまな機能を有しています。教育支援機能、業務効率化機能、グループウェアなど、それぞれのシステムによって提供される機能は異なるのです。
まずは学校が求める機能を明確にし、それにマッチするシステムを選びましょう。
タブレット対応の有無を確認
近年、タブレットの利用が一般的となりました。教室内でのスムーズなデータ入力や操作性の向上のために、タブレット対応の校務支援システムを検討することが重要です。
とくに、教員がタブレットを活用できるかどうかを確認しましょう。
データの一元管理と活用機能を重視
よい校務支援システムは、さまざまなデータを一元管理し、それを活用して教育の質を向上させることができます。生徒の学習履歴や成績、教職員の勤怠など、データの的確な管理ができるかどうかを確認し、効果的なデータ活用が可能なシステムを選びましょう。
運用・保守費用の確認
校務システムの導入は初期費用だけでなく、運用・保守にかかる費用も見逃せません。安定した運用を続けるためには、適切なサポートが欠かせないのです。運用・保守にかかる費用を把握し、トータルでの導入コストを見積もりましょう。
まとめ
校務支援システムの導入は、教育効果向上や業務効率化につながります。教育支援型は学習履歴やポートフォリオの管理を重視し、業務効率化型は学籍や成績の管理を得意としているものです。
それぞれのシステムには特徴があり、選び方には機能の充実度やタブレット対応の有無、データ活用機能などが重要。導入前には運用・保守費用も確認し、選定に際しては学校の具体的なニーズに合わせて検討しましょう。