校務はどこまでIT化できる?支援システムを導入するメリットとは
校長・教頭・教師が従事する仕事に、校務というものがあります。IT化が進んでいる昨今、校務もIT化できるのかということが注目を集めています。そこで、今回は校務とは何なのかについて紹介し、IT化できるかどうかや支援システムを導入することで得られるメリットについて詳しく説明していくので、ぜひ参考にしてください。
そもそも校務とはどんなもの?
そもそも、校務には何が含まれるのでしょうか。校務とは、学校全体の仕事や学校を運営するに当たり必要な仕事のこと指す言葉です。
文部科学省では「学校の仕事全体を指すものであり、学校の仕事全体とは、学校がその目的である教育事業を遂行するため必要とされるすべての仕事であって、その具体的な範囲は、1.教育課程に基づく学習指導などの教育活動に関する面、2.学校の施設設備、教材教具に関する面、3.文書作成処理や人事管理事務や会計事務などの学校の内部事務に関する面、4.教育委員会などの行政機関やPTA、社会教育団体など各種団体との連絡調整などの渉外に関する面等がある」と定義されています。
要するに、学校教育においてこなすべき仕事や施設・設備・教材の管理、人材育成、文書管理、教育委員会やPTA、教育団体との関わりといった業務を総称して校務と呼ぶのです。
校務はどこまでIT化できるのか
校務はどこまでIT化できるのか、それは導入する学校によって異なります。出席履歴をITによって管理すれば、見落としが減るうえ余分な紙を使う必要がありません。また、学習履歴をIT化すると転校した際や怪我・病気などで学校を長期的に休んでも、勉強の進み具合を簡単に共有できます。
教師の負担を軽減することにもつながるでしょう。こうして働き方改革が進めば教師にとって働きやすい職場になり、モチベーションのアップが期待できます。
IT化の是非が問われる業務も
書類が必要な業務をIT化することで、管理が楽になるというメリットがあります。一方、採点のIT化については賛否が分かれているのが現状です。
マークシートなど回答が決まっているものはよいのですが、記述問題は生徒がなぜその答えを導いたかを見抜き、学習の理解度を見極めることが大切です。簡単に正誤を決められないため、IT化することは難しいでしょう。
ただ、成績の集計や通知表の作成には積極的にIT技術を導入すべきだという意見もあります。導入する際には学校の教師全体で話し合い、必要に応じて生徒や保護者の考えを取り入れながら進めることが求められています。
校務支援システムを導入するメリット
教員の負担を減らすために、校務支援システムというものを導入している学校があります。教員は何かと書類や便りを作成する機会が多いのですが、グループウェア機能を活用してインターネット上で掲示板をつくり、情報共有ができるのです。紙を印刷して配るという手間が省けるうえ、意見交換がしやすくなるというメリットがあります。
また、出席簿や成績業を帳票でまとめることで、作業の負担やミスを減らすことにつながり、さらにコスト削減も期待できます。時間とお金を節約できればほかの業務に時間を割けるため、効率化を図れるでしょう。教師の負担が少なくなればその分プライベートを充実できるといえます。
重要な情報を適切に管理できる
学校には個人情報を記載した書類や指導要綱など、重要な書類がたくさんあります。それらを適切に管理するために、校務支援システムを活用してください。
たとえば、セキュリティ対策が万全のサーバーで保管できる、アクセスできる人や情報を制限できるといったメリットがあります。災害で書類を紛失してしまっても、データのバックアップをとっていれば復元可能です。
校務支援システムの基本的な機能
校務支援システムの一般的な機能として、学籍、教務、学校事務、保健系などがあります。生徒の学籍や出欠状況、成績、健康状態を一元管理できて、教師同士で共有しやすくなる点が魅力的です。
また、教員間の連絡事項や学校行事に関する決まりごとを共有する際にも役立つでしょう。提出する書類や報告書などをペーパーレス化することで、手間とコストを省けます。そのほかにも、学校のホームページを簡単に更新できるツールを導入して、内容を充実させて保護者や地域に情報発信できるという強みもあります。
必要な機能を有した校務支援システムを導入して、業務の効率化を図り現場の負担を減らしていってください。教師のやる気や意識を向上させることも期待できて、学校全体の教育レベルがアップするといえるでしょう。
まとめ
校務のIT化や支援システム導入のメリットについて解説しました。学校を運営するうえで、校務をしっかりこなすことは避けては通れません。ただ、膨大な紙や情報を管理することは非常に困難です。そこで、校務をIT化して教師の負担を減らし、簡単に情報共有できる場を提供することをおすすめします。
必要な情報をデータ化すれば、紙を印刷・管理する手間が省けるうえ紛失のリスクも減らすことができます。セキュリティ対策をしっかり行ったうえで、導入を検討してみてはいかがでしょうか。