校務支援システムとは?どんな機能がある?
学校の業務はとても多く、担当クラスの管理だけでも大変です。そのうえ、共有事項があると準備だけでもかなりの時間がかかります。教員が業務に時間に取られると、生徒のケアに重点が置けない、授業の準備に影響が出るなどさまざまなデメリットがあります。
学校業務が大変で教員本来の業務に支障が出るなら校務支援システムを活用しましょう。業務への負担を減らせるだけでなく、セキュリティ対策にも役立ちます。
校務支援システムとは?
校務支援システムとは膨大な学校の校務情報をまとめて、効率的に処理するためのシステムです。個人の学績管理や成績管理から、教員同士の情報共有も行えます。校務支援システムはさまざまな業者が提供していますが、業者によって提供している機能が異なります。
また、使い勝手もさまざまなため、事前に打ち合わせをしっかり行い学校が求めるものとマッチする業者を選びましょう。
校務支援システムを実際に使うのは教員です。運用テストは学校の責任者ではなく現場の教員に操作してもらい、使い勝手やシステムに関する不明点を確認しましょう。
学校業務に校務支援システムが必要な理由
校務支援システムの導入が学校業務に必要な理由は、教員の業務が膨大なためです。文部科学省の調査では、小中高の教員が学校にいる時間の平均は、1日に11時間を超えると調査結果が出ています。
教員の業務量を軽減させるために、最近では部活動の顧問を民間に委託したり、教員の定時退社を推奨する日を設けたりするなど、さまざまな対策が始まっています。しかし、それでも業務量が多い状況に変わりはなく、生徒指導や学習指導に時間を割けないといった悩みを抱えている教員は減りません。
そこで、今回紹介している校務支援システムがあれば、学校業務をシステム上で管理してくれるため、同じ業務量でも教員の負担を減らせます。
校務支援システムを導入するメリット
校務支援システムは業務負担の軽減だけでなく、校務が統一化できたりセキュリティ対策になったりするなど、膨大な学校業務を抱える教員たちにとってのメリットが豊富です。
業務負担を減らせる
校務支援システム最大のメリットは、教員の業務負担を減らせることです。たとえば、学校業務には生徒たち個々の出欠状況や学習状況、さらに生活指導内容や保健室の利用状況まであり、通常は手作業でまとめています。
これらの内容を生徒全員分まとめたり数値化したりするには、かなりの時間が必要です。
しかし、校務支援システムを導入すれば、必要な作業は入力のみで、まとめたり数値化したりする作業はシステムが行います。また、整理された個人データはそのまま個別指導に役立てられるため、指導のためにまとめ直す必要もありません。
校務が統一化できる
校務支援システムは運用が統一化されているため、誰が活用しても同じフォーマットで正確に仕上がります。入力内容さえ気をつけていれば、誰が扱ってもミスが起きにくいところがメリットです。学年が上がって担任が変わったとしても、細かい引き継ぎは必要なくシステム上で確認できます。
また、自治体で同じ校務支援システムを導入すれば、教員が自治体内で配属先が変わった場合でも便利です。通常、移動した教員は学校によって異なる業務方法を覚える手間が必要ですが、自治体で統一されていれば業務方法を覚える手間を省けます。
また、校務を統一化すると、教員間のコミュニケーションが取りやすくなるところもメリットです。教員間で情報共有できるため、データから見える課題について対策を考えたり研修の議題に取り入れて指導内容を見直したりできます。
セキュリティ対策になる
学校業務では厳しい管理が必要な個人情報を取り扱います。校務支援システム内のデータはセキュリティ対策済みのサーバーで保管するため、情報漏洩を防げるところもメリットです。また、システム内の情報閲覧も権限設定を変えれば、アクセスできる情報を制限できます。
校務支援システムの機能
校務支援システムの機能はいくつかありますが、主に教員事務・教育支援・学校事務に分けられます。
教員事務
教員事務は学籍系・教務系・保健系に分けられます。
学籍系には主に学籍管理と年度処理が含まれ、生徒個人の氏名や住所、出欠管理、そして年度処理、クラス分けや進級処理、そして次年度の準備などがあります。
次に教務系には個人カルテや生徒の生活情報(アレルギーなど)の管理、進路管理で学年やクラス別に進学や就職先の統計をとったりすることがあります。
最後に保健管理計系があり、健康診断結果の集計と分析、個人の保健室の利用履歴も管理、体力テストの結果管理などが含まれています。
学籍系の学籍管理は通知表や指導要録に反映されます。同じく年度処理では、行事予定表や履修一覧も出力可能です。また、教務系にはクラスごとの時間割や、学年全体の年間指導計画も作成できます。
教育支援
教育支援はポートフォリオ作成や授業アンケート、小テストなどがあたります。教育でのポートフォリオとは、生徒の学習履歴や学習意欲などを分析し、学習傾向や状況を数値で可視化したものです。校務支援システムにポートフォリオと定期的な小テストを記録しておくことで、個別の進路指導や学習提案に役に立ちます。
また、定期的に行われる授業アンケートの集計によって傾向と理解度を把握すれば、授業の質改善にも役立ちます。
学校事務
学校事務は職員同士が情報共有するグループウェアや勤怠管理など、生徒個人のデータではなく、学校全体を管理する事務内容です。教員事務と教育支援は主に教員が利用する機能ですが、学校事務は学校に関わるすべての職員が利用します。
このほか、事務的な申請書や報告書の提出もシステム内で管理できます。
そのほかの校務効率化ができるサービス
校務支援システム以外にも、校務を効率化できるセキュリティゲートと自動音声応答について紹介します。
セキュリティゲート
職員や生徒など学校関係者の情報を取り入れたスマートフォンを利用した、顔認証システム搭載のセキュリティゲートがあります。あらかじめスマホ内に学校関係者の顔を認証させておくことで、顔認証できた人だけがゲートを通過できる仕組みです。
顔認証システム搭載のセキュリティゲートを導入すれば、学校内に関係者以外の侵入を防ぐことができる上、常に入り口に職員を配置する必要もなくなります。
自動音声応答
通常、保護者や学校関係者が学校に連絡する場合、誰が出るかはわかりません。そのため、電話を受けた者が連絡を取りたい相手に取り次ぎます。しかし、学校の電話と個人のスマートフォンやパソコンと繋ぐことで、取り次ぎ業務をなくすことが可能です。
学校に連絡をした人には自動音声が流れて問い合わせ内容を選択してもらいます。その後選択した内容の対象者のみに取り次ぎをする仕組みです。
まとめ
校務支援システムとは、膨大な学校の校務情報をまとめて効率的に処理するためのシステムです。教員や学校職員の業務は学籍管理・出欠管理・成績管理など、生徒に関する情報の管理だけでも毎日の業務時間内に処理しきれない程の作業があります。
また、生徒の管理以外にも徴収金管理・給食管理・職員全員の出退勤管理など、学校運営に関わる業務まで膨大です。校務支援システムを導入することで、これらの業務をシステム内で管理できるため、業務の負担軽減による授業の質改善や生徒へのサポートを充実させられます。
ぜひ、学校内だけでなく自治体単位で統一させて校務を円滑にしましょう。